パランティアはどんな企業?

パランティアとはいったいどのような企業なのでしょうか。ここでは、パランティアの創業背景や企業概要について解説します。

創業背景

パランティアは2003年、PayPal共同創業者のピーター・ティール氏らによって米国で設立されました。きっかけは2001年の同時多発テロ後、「自由社会を守るためにはデータ分析技術が必要」という信念です。

ティール氏はPayPalで培った不正検知の知識をテロ対策へ応用しようと考え、哲学博士のアレックス・カープ氏と共に会社を立ち上げました。社名は「指輪物語」に登場する「すべてを見通す石」に由来し、隠れた脅威を発見するという使命感が表れています。

米国情報機関のベンチャー部門から資金提供を受けるなど、創業初期から国家安全保障分野で注目を集めた経歴を持っています。

出典:マネックス証券

企業概要

パランティアの本拠地はコロラド州のデンバーです。主な事業は大規模データの統合・分析基盤の開発提供で、売上の約55%が政府関連、残り45%が民間企業向けです。

米国情報機関や国防省との密接な関係を持ち、国の安全に関わる重要な技術を提供する一方、一般企業向けには金融や医療など様々な分野で物流管理やリスク評価のツールを展開しています。近年は人工知能技術の強化にも力を入れています。

出典:マネックス証券

パランティアの主要製品

パランティアは数々の製品を開発していますが、ここでは3つの主要製品について解説します。

製品名 特徴
Gotham 政府・軍向け高度諜報分析ツール
Foundry 民間企業向けデータ統合基盤
Apollo 安全なソフトウェア自動配信基盤

Gothamは、政府、軍、警察がテロや犯罪を見つけて対策を立てるためのソフトです。Foundryは、民間会社が分散したデータを一つにまとめて分析し、仕事の効率化をサポートしてくれます。

Apolloは、パソコンや会社ソフトを自動でアップデート・管理するなど、安全に最新の状態を保ってくれます。

出典:DIGITIDE

投資市場ではどう位置付けられている?

パランティアは創業以来、米国情報機関や国防省と密接な関係を築き、収益の約55%を政府部門から得ています。同時に民間分野でも金融や医療など多様な業界向けにデータ分析基盤を提供し、事業の約45%を占める構造となっています。

2024年から株価は急上昇し、約340%の伸びを記録しました。2025年第1四半期も売上が前年比39%増と好調で、特に商業部門は71%の成長を達成しました。この躍進はAIプラットフォーム「AIP」への需要拡大が牽引しています。

市場では株価収益率が230倍超と極めて高く評価される一方、専門家からは割高との見方もあるため注意が必要です。しかし政府との強固な関係性やAI分野での先進性から、長期的な成長可能性を評価する声も少なくありません。

出典:マネックス証券