直近の決算ハイライト

パランティア・テクノロジーズの2025年12月期第1四半期は、収益が8.84億ドルと前年同期比39.4%増加し、会社予測の上限を上回る結果となりました。営業収益も1.76億ドルと前年の2.17倍に達しています。

部門別では、政府関連の売上が4.87億ドルと45.4%増加。特に米国政府向けは3.73億ドルとなり、米軍への人工知能搭載戦術情報車両「TITAN」の納入が開始されました。この製品は衛星や航空機からのデータを統合し、即座に作戦判断できる機能を持っています。政府関連の取引先数も140から147へと拡大しました。

民間企業向けビジネスも3.97億ドルと32.8%増加し、特に米国内では70%という著しい伸びを記録しています。取引先数は372から397社へと増え、米国内では214から255社に拡大しました。

このような売上増加により、営業利益率は前年同期の12.8%から大幅に改善し、過去最高を記録しました。前期に計上した従業員向け特別報酬の影響を除いても、収益性は大きく向上しています。

出典:楽天証券 トクシル

AI需要との関連

パランティアの株価は、人工知能技術への注目度の高まりと密接に関連して推移しています。北大西洋条約機構(NATO)との大規模な軍事システム契約締結は、防衛分野における先端技術の需要拡大を象徴する出来事として市場から高く評価されています。

米国内の企業向け売上が70%以上も増加したことは、民間部門でも同社の技術力が認められている証拠です。特に「TITAN」と呼ばれる最新情報収集車両の軍への引き渡し開始は、実用段階に入った技術革新として投資家の関心を集めています。

専門家たちは同社の成長性を、先進的な技術基盤と着実に広がる顧客網に基づく持続可能なビジネスモデルとして評価しています。将来的な収益増加が見込まれることから、成長志向の投資家から強い支持を得ているのです。

市場アナリストの間では、パランティアの株価変動は人工知能産業全体の動向と強く結びついていると考えられており、同社は先端技術投資の指標的な存在となっています。

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潜在的なリスクや注意点

パランティア株への投資を検討する際には、いくつかの重要な懸念点に注意する必要があります。まず、同社の株価収益率は約150倍という極めて高い水準にあり、将来の成長性がすでに現在の価格に反映されています。このため、好調な業績を発表しても株価上昇が限定的である一方、予想を下回れば大幅な下落を招く可能性があるのです。

また、収益成長率に対する株価の比率を示す指標も3倍を超えており、通常の投資基準からすると割高な状態です。これは長期的な投資としての魅力を減じる要因となっています。

最近では先端技術関連銘柄全体に対する市場の熱狂がやや冷静化しており、2025年初めから約5%の株価下落が見られます。投資家の関心が評価水準への懸念に移行すれば、売却圧力が強まる恐れがあります。

出典:マネックス証券 マネクリ