貯金が100万円に達すると、「これだけあればしばらく安心」と感じる方も多いでしょう。病気や家電の故障、収入の減少などに備えられる現金があることは、家計にとって大きな安心材料です。

一方で、当面使う予定のない100万円まで銀行口座に置いたままにすると、資産を守っているつもりでも、実質的な価値が下がる可能性があります。株式投資や投資信託には元本割れのリスクがありますが、現金にも物価上昇に弱いという特徴があるためです。

大切なのは、100万円をすべて株や投資信託へ回すことではありません。生活に必要な現金を確保したうえで、余裕資金の一部を資産運用に振り分ける考え方が重要です。

現金100万円は減らなくても価値が下がることがある

普通預金に100万円を置いておけば、引き出さない限り口座残高が大きく減ることはありません。しかし、商品の値段が上がると、同じ100万円で買える物の量は少なくなります。

総務省が公表した2026年6月の消費者物価指数では、総合指数が前年同月比で1.7%上昇しました※1。仮に100万円で買えた商品やサービスの価格が1年間で1.7%上昇すると、翌年に同じものを購入するには約101万7,000円が必要です。

預金に利息が付いても、預金金利より物価上昇率が高ければ、お金の実質的な購買力は低下します。これが、貯金を現金のまま長期間保有する際に注意したい点です。

ただし、物価が上がっているからといって、預金をすべて解約して株を買うのは適切とは限りません。株価は短期間で下落することがあり、必要なタイミングで売却すると損失が確定する可能性があるためです。