100万円を一度に投資しなくてもよい
余裕資金があるからといって、100万円を一括で株や投資信託へ入れる必要はありません。購入直後に株式市場が下落すると、資産評価額が大きく減る可能性があります。
投資初心者は、毎月一定額を購入する積立投資から始める方法もあります。例えば、100万円のうち80万円を現金で残し、残り20万円を毎月1万円ずつ投資信託へ積み立てると、購入時期を分散できます。
一方、すでに別口座で生活防衛資金を十分に確保している場合は、投資へ回す割合を増やすことも考えられます。現金と投資の適切な比率は一律ではなく、年齢、収入、家族構成、住宅ローンの有無などによって変わります。
NISAなら株や投資信託の利益が非課税
資産運用を始める際は、NISA口座の利用も選択肢です。通常、株式や投資信託を売却して得た利益や配当金などには約20%の税金がかかりますが、NISA口座で購入した対象商品の運用益は非課税です※3。
NISAには、長期の積立投資に適した投資信託を購入できる「つみたて投資枠」と、上場株式や投資信託などを購入できる「成長投資枠」があります。年間投資枠は合計最大360万円、非課税保有限度額は合計1,800万円です※3。
ただし、NISAは利益を保証する制度ではありません。NISA口座で購入した個別株や投資信託でも、株価や基準価額が下落すれば元本割れします。非課税という理由だけで商品を決めず、長期保有できるかを考える必要があります。
貯金100万円で避けたい投資の始め方
最も避けたいのは、生活費まで使って投資することです。株価下落時に急な出費が重なると、値下がりした株や投資信託を売却しなければならない可能性があります。
また、「必ず値上がりする株」「元本保証で高利回り」といった説明をうのみにするのも危険です。投資では、期待できるリターンが高いほど、価格変動や損失のリスクも大きくなる傾向があります。
一つの銘柄に100万円を集中させるより、複数の資産や地域へ分散し、購入時期も分ける方が、特定の企業や相場環境の影響を抑えやすくなります。証券口座を開設した後も、焦って商品を購入せず、手数料や投資先を比較することが大切です。
貯金100万円は、すべて現金で保有するか、すべて株式投資へ回すかの二者択一ではありません。生活を守る現金を確保し、当面使わない余裕資金だけをNISAや投資信託、株式などで運用することで、現金の安心感を残しながら将来の資産形成を目指せます。まずは100万円を「使うお金」「備えるお金」「増やすことを考えるお金」に分けることから始めるとよいでしょう。
※1 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年6月分」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
※2 日本銀行「参考図表:2026年第1四半期の資金循環(速報)」
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf
※3 金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/





