老後資金は「使うお金」と「残すお金」に分けて考える

老後資金をすべて同じ性格のお金として考えると、判断が難しくなります。近い将来に使う生活費や医療費の備えは、値動きのある商品に置きすぎないほうが安心です。一方で、数年から十年以上先に使う可能性がある資金まで、すべて預貯金に置いておくと、物価上昇の影響を受けやすくなります。

そこで考えたいのが、「すぐ使うお金」「数年以内に使うお金」「まだ先のお金」を分ける方法です。すぐ使う資金は預貯金中心、少し先のお金は個人向け国債など値動きの比較的抑えられた選択肢、長く使わない部分はNISAを活用した投資信託など、役割ごとに置き方を変えると整理しやすくなります。

投資は老後資金対策の一つだが、万能ではない

老後資金対策では、投資だけで不安を解消しようとすると無理が出やすくなります。まずは家計を整え、毎月どれだけ不足しそうかを把握したうえで、預貯金だけでは足りない部分をどう補うか考えるほうが現実的です。支出を整える、働ける期間を考える、公的制度を把握する、そのうえで投資を使う、という順番のほうが判断しやすくなります。

NISAやiDeCoは「不足分を補う道具」として考える

NISAやiDeCoは、老後資金づくりを後押しする制度ですが、生活防衛資金まで投資に回す前提ではありません。特に老後が近い世代では、使う時期が近いお金と運用するお金を混ぜないことが重要です。投資信託を使う場合も、毎月の差額を埋めるための土台づくりとして、無理のない金額から考えるほうが現実的です。