1000万円を全額投資する必要はない

投資には資産を増やせる可能性がありますが、1000万円を全額投資すると、相場が下落した際の影響も大きくなります。

例えば、1000万円を投資した後に資産価格が20%下落すれば、評価額は約800万円になります。近いうちに使う予定がある場合、値下がりした状態で売却しなければならないかもしれません。

まずは1000万円を、次の3つに分けて考えます。

  • 日々の生活や急な支出に備えるお金
  • 住宅購入や教育費など、数年以内に使うお金
  • 10年以上使う予定のないお金

生活に必要なお金や使う時期が近いお金は、普通預金や定期預金などに残します。そのうえで、長期間使う予定のない余裕資金を投資に回せば、生活への影響を抑えながら利益を目指せます。

預金700万円・投資300万円という分け方

投資経験がなく、まとまった金額を運用することに不安がある場合は、1000万円のうち一部だけを投資する方法があります。

例えば、700万円を預金として残し、300万円を投資に回せば、資産の大部分を預金で確保しながら、投資による値上がり益や配当も目指せます。

300万円を一度に投資する必要もありません。毎月10万円ずつ、毎月20万円ずつなど、購入時期を分ける方法もあります。

購入時期を分ければ、高値の時期に全額を投資するリスクを抑えやすくなります。ただし、相場が上昇し続けた場合は、一括投資より得られる利益が少なくなることもあります。

預金1000万円なら預金保険制度も確認する

利息の付く普通預金や定期預金は、金融機関が破綻した場合、1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1000万円までと、破綻日までの利息などが預金保険制度で保護されます。※4

元本がちょうど1000万円であれば、原則として元本1000万円と対象となる利息が保護範囲に入ります。

ただし、同じ金融機関に普通預金、定期預金、貯蓄預金などを複数持っている場合は、口座ごとではなく預金者ごとに合算されます。

合計額が1000万円を超える場合、超過部分は金融機関が破綻した際に全額が保護されるとは限りません。複数の預金がある場合は、金融機関ごとの合計額も確認しておきましょう。

預金と投資はどちらか一方に決めなくてよい

貯金1000万円を口座に置いたままでも、残高がすぐに失われるわけではありません。しかし、長期間使わない資金まで預金だけで保有すると、物価上昇による実質的な価値の低下や、投資による利益を得る機会を逃す可能性があります。

一方で、投資には元本割れのリスクがあるため、1000万円すべてを移すことが適しているとは限りません。

生活費や数年以内に使うお金は預金として確保し、当面使わない資金の一部をNISAや投資信託などで運用する方法があります。預金で守るお金と、投資で育てるお金を分けることで、安心感を保ちながら将来の資産を増やせる可能性を持たせられるでしょう。

※1 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年6月分」
※2 日本銀行「参考図表 2026年第1四半期の資金循環(速報)」
※3 金融庁「NISAを知る」
※4 預金保険機構「預金保険制度の基礎知識」