半導体そのものを設計・製造する企業

日本には、車載、産業機器、電源制御などに使われる半導体を設計・製造する企業もあります。海外のAI半導体企業とは、主力製品や需要先が異なります。

ルネサスエレクトロニクス

ルネサスエレクトロニクスは、マイコン、アナログ半導体、パワー半導体、SoCなどを扱い、自動車、産業機器、インフラ、IoT向けに製品を提供しています。※6

自動車の電子化や工場自動化は成長要因になり得ますが、自動車生産の減少や顧客による在庫調整が業績へ影響する場合があります。

企業買収によって製品分野を広げている企業では、買収した事業が利益成長につながっているか、借入金やのれんが過度に増えていないかも確認します。

ローム

ロームは、ICや各種半導体を展開し、電力を変換・制御するパワー半導体にも取り組んでいます。SiCパワー半導体は、電気自動車、産業機器、電源設備などで電力損失を抑える用途が期待されています。※7

市場拡大が期待される一方、パワー半導体には海外を含む多数の競合企業があります。需要の伸びだけでなく、生産コスト、工場稼働率、顧客獲得の状況を見る必要があります。

日本の半導体株を比較するポイント

日本の半導体関連企業は、扱う製品によって業績が伸びる時期や主なリスクが異なります。企業名だけでなく、次のような分類で比較すると分かりやすくなります。

事業分野成長要因主なリスク
製造装置半導体メーカーの工場新設・能力増強設備投資の延期、受注減少
検査・計測半導体の高性能化・構造の複雑化顧客集中、装置需要の変動
材料生産数量の増加、先端材料への移行在庫調整、販売価格の下落
精密加工薄型化、先端パッケージの普及顧客の設備投資減少
車載・産業用半導体自動車電子化、工場自動化自動車生産減少、在庫増加
パワー半導体電動化、省エネルギー需要競争激化、設備負担

日本株だから安全とは限らない

日本企業であれば、円で株式を購入でき、日本語の決算資料を確認しやすいという利点があります。しかし、国内企業でも売上の多くを海外から得ている場合があり、世界の半導体需要や為替相場の影響を強く受けます。

また、半導体関連株として注目を集めると、企業利益の伸び以上に株価が上昇することがあります。優れた技術を持つ企業であっても、購入価格が高すぎれば、期待した投資成果を得られない可能性があります。

日本の半導体株を選ぶ際は、製造装置、検査、材料、半導体メーカーなど、異なる事業を比較しましょう。一社へ集中せず、購入時期を分けることも、半導体市況の変動に備える方法です。

※1 東京エレクトロン「Products and Services」
https://www.tel.com/product/
※2 DISCO「Plans to Construct Gohara Plant as Part of Hiroshima Works」
https://www.disco.co.jp/eg/news/corp/20250418.html
※3 アドバンテスト「Automated Test Equipment」
https://www.advantest.com/en/products/semiconductor-test-system/
※4 レーザーテック「Semiconductor-related Inspection Systems」
https://www.lasertec.co.jp/en/ir/individuals/semiconductor.html
※5 信越化学工業「Silicon Wafers」
https://www.shinetsu.co.jp/en/products/electronics-materials/silicon-wafers/
※6 Renesas Electronics「Renesas Electronics Corporation」
https://www.renesas.com/en
※7 ROHM「Silicon-carbide Power Devices」
https://www.rohm.com/products/sic-power-devices