半導体株を探すと、AI関連銘柄、製造装置銘柄、半導体材料銘柄など、多くの企業が候補として挙げられます。しかし、知名度の高い企業や株価が大きく上昇した企業が、その時点で自分に適した投資先とは限りません。

半導体企業は、扱う製品、顧客、製造工程、設備投資の負担などが大きく異なります。銘柄を比較するときは、事業内容、決算、競争力、株価水準を順番に確認することが大切です。

ここでは、特定の銘柄を推奨するのではなく、半導体株を自分で分析するための基本的な見方を解説します。

最初に企業の事業領域を確認する

半導体株を選ぶ際、最初に確認したいのは、その企業がどの工程で収益を得ているかです。「半導体関連」という分類だけでは、企業の業績を左右する要因までは分かりません。

何を販売している企業なのか

半導体関連企業は、大きく分けると、半導体の設計企業、製造企業、製造装置企業、検査企業、材料企業などに分類できます。

設計企業は、新製品の性能や採用状況が業績に影響します。製造企業は工場の稼働率や製品価格、装置企業は顧客の設備投資、材料企業は出荷数量や販売価格などが重要です。

同じAI関連株でも、AI半導体を設計する企業と、その半導体を作るための装置を販売する企業では、利益が発生する時期が異なる場合があります。

どの需要先に依存しているか

半導体の需要先には、データセンター、スマートフォン、パソコン、自動車、産業機器、家電などがあります。

AI向け需要が好調でも、スマートフォン向けの売上比率が高い企業では、スマートフォン市場の低迷が業績を押し下げる可能性があります。

決算資料では、用途別、地域別、顧客別の売上構成を確認します。売上先が分散されている企業は、一つの市場が低迷したときの影響を抑えられる場合があります。ただし、成長分野への集中度が低いため、好況時の伸びが緩やかになることもあります。

特定顧客への依存が高くないか

大口顧客との取引は、企業の売上を大きく伸ばす要因になります。一方、その顧客が発注先を変更したり、自社開発へ切り替えたりすると、業績が急激に悪化する可能性があります。

有価証券報告書や決算資料に主要顧客の情報が記載されていない場合でも、経営者の説明から顧客構成の変化を読み取れることがあります。

一社の顧客に依存している企業へ投資する場合は、その顧客の設備投資や製品販売の動向も確認する必要があります。