決算で確認したい基本的な数字

半導体企業の決算では、売上高と最終利益だけを見るのではなく、利益率、受注、在庫、設備投資、キャッシュフローなどを確認します。企業の業態によって、重要な数字の優先順位は異なります。

売上高と営業利益率

売上高が伸びていても、値下げやコスト増加によって利益率が下がっていれば、競争環境が悪化している可能性があります。

営業利益率は、本業でどの程度の利益を得ているかを見る指標です。高い技術力や市場シェアを持つ企業は、高い利益率を維持できることがあります。

ただし、利益率が高いことだけで割安とは判断できません。好況期には販売価格や稼働率が上がり、一時的に利益率が高くなる場合があります。過去数年の推移と、会社が示す翌期予想を比較します。

受注高と受注残高

製造装置企業では、現在の売上より前に、受注高が変化することがあります。顧客からの新規注文が減れば、数か月後の売上が鈍化する可能性があります。

受注残高が多ければ将来の売上を見通しやすくなりますが、受注がキャンセルされないとは限りません。受注額の増減だけでなく、納期や顧客の設備投資計画も確認します。

在庫の増減

半導体メーカーや電子部品企業では、在庫が急増していないかを確認します。将来の需要増加に備えて在庫を増やす場合もありますが、製品が売れずに積み上がっている可能性もあります。

売上の伸びより在庫の増加が大きい状態が続く場合は、需要予測が外れていないか、製品価格の下落が起きていないかを調べます。

在庫調整が始まると、顧客が新たな発注を控えるため、半導体メーカーだけでなく装置・材料企業にも影響が広がることがあります。

設備投資と減価償却費

自社工場を持つ半導体企業は、生産能力を増やすために多額の設備投資を行います。設備投資は成長に必要ですが、需要が想定を下回ると、稼働していない設備の維持費や減価償却費が利益を圧迫します。

設備投資額だけでなく、何の製品を増産するための投資なのか、顧客の需要がどの程度確定しているのかを確認します。